コラム

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教科担任制導入による塾への影響と対策とは!

教科担任制導入による塾への影響と対策とは!

 

教科担任制をご存知でしょうか。2022年度より小学校で全国展開されたものです。

 

 

小学校高学年からの教科担任制の導入〔以下、抜粋〕

 

・小学校高学年からの教科担任制を令和4年度(2022年度)を目途に本格的に導入する必要がある。

 

・専門指導の対象とすべき教科としては、系統的な学びの重要性、教科指導の専門性といった観点から検討する必要があるが、グローバル化の進展やSTEAM教育の充実・強化に向けた社会的要請の高まりを踏まえると、例としては算数・理科・外国語を対象とする事が考えられる。

 

*引用:[第12回]新しい時代の初等中等教育のあり方特別部会会議資料(2020,8)/文部科学省 詳しい内容は以下をクリック

 

https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/2019/11/1422470_00012.htm

 

 

簡単に説明しますと現在の中学校の教科別に担任が変わる事と同じ様に、小学校高学年から担任一人が全てを授業するのではなく教科ごとに担当する先生が変わると言うことです。

 

教科担任制を知らない保護者が多い事実!

 

皆さんはご存じでしたか?地域や各学校により異なるとは思いますが、筆者である私自身は年度初めに行われた子どもの授業参観で、見知らぬ先生が教壇に立っているのを見て不思議に思い、我が子に尋ねると「今年から教科ごとで先生が変わるんだって!」と聞かされ驚きました。すべての教科とまではいきませんが1日の半分ほどは担任の先生との授業ではない事にびっくりしました。

 

 

 

教科担任制を受けて保護者対象のアンケート

 

⋆専門的な内容であったり子どもが付いていけるのか。

 

⋆学級担任との接点が大幅に減る為コミュニケーション不足になるのではないか。

 

⋆学級担任が他のクラスも受け持つため、自身のクラスの生徒の悩みや性格を把握しきれないのではないか。

 

前もって大々的な説明を保護者に向けてしていない所も多いようで、保護者の不安とは相反してこども達はすんなり受け入れているようです。

 

全国の教科担任制導入後の高学年対象のアンケート結果

 

⋆専門の先生が教えてくれるので解りやすくなった。

 

⋆色んな先生に携われるので楽しい!

 

⋆校内で担任の先生以外にも名前を覚えてもらえて声をかけてくれるので単純に嬉しい!

 

と、好感触の様です。沢山の目を掛けて貰えるのは嬉しいですよね。

 

教科担任制が増えることにより、今までよりも子ども達自身が自分の得意とする分野を見つけ出し、好きだからこそもっと知りたいと探求心も生まれグングン伸びていくと思います。これからの将来が楽しみですよね。

 

 

教科担任制で導入されるもの

 

先にもお伝えした2022年から導入の教科担任制ですが、対象の教科は「算数」「理科」「外国語(英語)」「体育」の4強化が予定されています。高学年である5・6年生の授業の一部授業で取り入れられます。

 

これまでは中学生になると[数学の先生][英語の先生]と別れているのが通常でした。これからの小学校高学年の教育の現場ではそれが通常に変わっていきます。クラスの担任も自身のクラスの生徒でも専門教科のみを教えるようになります。まだ試験的として、やってみて問題点が出てきたら改善していくなど、効果を見た上で良いとなれば中学年・低学年と拡大していくのかもしれません。

 

 

 

(小学校等における教科担任制の実施状況)文部科学省資料参照

 

数字が小さいほど担任が教えており、数字が大きい程教科担任が教えています。

 

小学校で教える教科の分担を上手くこなす取り組み

 

これまで長年「学級担任制」として統一されてきた小学校では、どの様に教科ごとの分担をしているのでしょうか。

 

・教員自身が専攻している得意分野を生かす〔例えば数学専攻の教員が他クラスの算数を教える時は、外国語専攻の教員が自身のクラスを受け持てるよう時間割調整をする〕

 

・チームティーチングを取り入れる〔二人の先生が1つの授業を受け持ち、また授業の進行役と生徒の補助役と役割分担をしながら進める

 

・同じ市区町村の中学・高校と連携を取り専門の授業をお願いする〔小学校の教員免許がある中・高の教員を特別講師として迎える〕

 

地区町村全体で連携して小中高の教員みんなで自身のスキルを活かしながら教科分担していることが解ります。

 

では同じ教育現場で教える立場になる「塾」はこれからどうしていく事が最善でしょうか。

 

 

 

これからの塾に保護者か期待することは?

 

学校がこれまでに無い新しい教科担任制を取り入れていくにあたり、保護者が塾に対して期待することは何でしょうか。教科担任制で学校がより高度な授業を繰り広げる中、保護者はやはりその授業に我が子が付いていけるのか、他の子に遅れを取っていないだろうかと、心配は尽きません。学校では集団授業の中どんどん新しい事を教えていく為、一人一人のペースに付き合うことはなかなか難しいと思います。やはり塾で授業料を支払っているのに同じ様な授業では通わせる価値が無いと判断されてしまいますよね。

 

個別指導少人数指導や、今のご時世に合わせて家庭でもできるオンライン授業家庭教師制など、生徒一人一人に合わせた授業を取り入れる事も検討すべきかと思います。講師の人数が必要になったり、収容人数が限られたりと課題は沢山あるとは思いますが、保護者や子ども達ともに塾への信用度が上がったりと、これから無数にある塾の中で生き残るためにも、いち保護者の私としての個人的な意見ではありますが、是非検討するべきだと思います。

 

 

 

塾が教科担任制対策としてやるべきこと

 

やはり塾の質の向上です。今まではオールマイティにいろいろな種類の教科を1人の先生が教えられる事が重宝されてきましたが、今後は子ども達がより質の高い授業を学校で教わる様になる為、塾でもより質を上げた授業が求められます。

 

ざっくりと質を上げると言いましても、一体何から始めるべきでしょうか。

 

①今の学校の現状を知る

 

②それにより必要とされるタブレット教材等を導入する

 

③教科ごとに特化した指導力を講師が身に着ける

 

④専門性の高い講師を集める

 

⑤個個の生徒の苦手分野を知る

 

⑥生徒一人一人に合わせたカリキュラムを組む

 

など今まで以上に講師も授業内容も、質を上げていかなくてはなりません。

 

 

(1)今の学校の現状を知る

 

教科担任制になった事により、今までの塾での指導内容よりレベルが高い授業内容をしていかなくてはなりません。学校ではどの様な内容で、どの様な進行状況で授業が行われているかリサーチしておいてください。それによりこれから自分たちがどの様な授業をしていくのか方向性を考える事が大切です。

 

(2)それにより必要とされるタブレット教材等を導入する

 

タブレット教材と一括りに言いましても沢山の種類があります。世間一般的なものを知ったうえで、自分たちの生徒に合ったものは何かを吟味して導入していきましょう。今子ども達の中で流行っているものや、興味を持っている事など知った上で教材も探してみましょう。そしてタブレット教材を講師自身がしっかり使いこなせるように講習会などを開いたり、生徒との授業に支障が出ないようにしていきましょう。

 

(3)教科ごとに特化した指導力を講師が身に着ける

 

塾講師自身が生徒と同じ年の頃に学んできた内容より、格段に学習内容も質も上がってきており、また低年齢化しています。今は私たちが子どもの頃中学生の時に習っていたものが、小学校高学年で習っていますよね。生徒に合わせて講師自身が子ども達の疑問・質問に対応できる様備えておかなくてはいけません。

 

専門性の高い講師を集める

いくら既存の講師が指導力を短期間で習得しても、長年専門的に学んできた人には敵わないこともあるとは思います。新しく講師を迎える時点で学生時代どの教科を専攻していたか、またどの様な形で指導できるのか、例えば外国語であればネイティブな英語が話せる外国人講師でなおかつ日本語もこなせる講師を探がしてみるのも良いでしょう。

 

(5)個個の生徒の苦手分野を知る

 

やはり学校で習ってきたレベルの高い授業内容になりますと、解らない事や苦手なことも増えてくると思います。学校ですと集団で習う為、解らない事を解決出来ないまま終えてしまう事もあります。またレベルが上がっているが故に、出来ると出来ないの差が大きくなります。こまめに小テスト等で現在の学力を知り、どの様な理由で躓いているのか理解してあげましょう。

 

(6)生徒一人一人に合わせたカリキュラムを組む

 

カリキュラムとは生徒が学習するコースとして立てられた、教育内容の系列・課程です。生徒が苦手なものは千差万別です。その子の学力に寄り添ったカリキュラムを組んであげることにより、苦手克服の手助けになります。また一人一人理解するポイントやスピードも違うので、難しい事を押し付けるのではなくその子に寄り添ったカリキュラムを組み立ててあげましょう。遅れはいくらでも取り戻せますが、解らないまま終わらせてしまうとそれこそ取り返しがつきません。

 

 

塾講師としての心構え

 

今までの様に教える授業内容をオールマイティに習得するのではなく、担当する得意分野を集中的に習得し見直せるようになります。ですからより自身のレベルを高めたり、生徒の苦手分野と向き合える時間が増えると思います。その時間を有効活用して子ども達が学校では教わり切れなかったものを、塾でしっかり克服できるように心がけていきましょう。

 

また子ども達から見て頼りになる講師とはどの様な存在でしょうか?やはり尊敬出来る先生だと思います。タブレット学習を取り入れて行く中で、操作に手間取ったり質問内容に的確に答えてくれなかったりすると、たちまち不信感につながります。「あの先生に聞けば分かりやすいし、絶対解らない問題を解決してくれるよね‼」と子ども達から頼られる講師になれるように意識していきましょう。

 

塾としての心構え

 

講師だけが必死に向上しても効果は発揮できません。塾を運営していく側も生徒だけではなく、現場をよく知る講師自身とも向き合わなくてはいけません。現在、貴塾に置ける問題点や解決策を話し合ったり連携して授業に臨むことにより、より良い塾になると思います。

 

仮に教えている子ども達が躓いている箇所を克服するために、新しい教材を導入したいと相談があれば、しっかり話し合いましょう。

 

 

もし経済的に厳しいと判断したのであれば、それに見合うものを検討する、または予算組をするための現金収入の目標などを設定し、塾全体で連携を取りましょう。これにより子ども達の学力向上や講師とも信頼関係が全てにおいて繋がると思います。

 

それが塾への評価や口コミとなり、広まれば集客への影響も大きいと思います。先を見据えて誰もが通いたいと思う塾を創り上げていきましょう。

 

 

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