コラム

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【悩める先生や保護者必見】小学生の接し方・指導方法

小学生(児童期)の接し方のポイント

 

 

 

 

小学生は6年間でたくさんの経験をして
内面や行動が少しずつ変化していきます。

 

変化していく子どもへの接し方に悩んでいる保護者や
学校や学習塾など習い事で働く先生の中にも、
注意しても言う事を聞いてくれない、真面目に話を聞いてくれないなど
生徒の接し方に悩んでいるという方は多いのではないでしょうか。

 

 

まずは、小学生の子どもにはどんな特徴があるのかを
知ることからスタートすると良いでしょう。

 

小児が成長して成熟するまでに辿っていく身体的・精神的・感情的な
成長の8つの段階があると言われています。
「児童期」とは何歳ごろを指す言葉かご存知でしょうか?

 

~8つの発達段階~

 

「乳児期」0〜17ヶ月
「幼児前期」18ヶ月〜3歳
「幼児後期」3〜5歳
「児童期」5〜13歳
「青年期」13〜20歳
「成人期」20〜40歳
「壮年期」40〜65歳
「老年期」65歳〜

 

発達段階には個人差があるため、上記で紹介した通りの
年齢であるとは言えません。しかし、発達段階を理解しておくと
子どもへの接し方や習い事を始める時期や内容を決めるのに役立ちます。

 

表の通り「児童期」とはおよそ5歳~13歳、ちょうど小学校に通う時期を
「児童期」と呼びます。
この時期の最大の特徴は、子どもが主に生活する場所が
家庭から学校に移ることです。

 

学校では、人との関わりがさらに広がり対人関係及び
社会性の発達が期待できます。
勉強をする方法や学ぶことの楽しさを発見したり、
日常的に成功や失敗の体験を重ねて、何かを生み出すことや
困難な課題であっても自力で乗り越えていく経験をしていきます。

 

様々な経験を積むことが重要となる時期ですが、
失敗経験ばかりを重ねると子どもは劣等感を感じてしまいます。
困難な課題に取り組む前に諦めたり、自分自身の価値を低く見てしまったり
不安定になりやすいので注意が必要です。

 

失敗を繰り返して困難に直面している子どもが成功経験を得て
自己肯定感を高められるように、保護者が手を差し伸べて
適切な支援を行っていくことが大切です。

 

 

小学生の接し方

 

 

小学校低学年と高学年に分けて子どもへの接し方を紹介します。

 

 

低学年の接し方(小学1年生~3年生)

 

 

 

 

小学校低学年の時期の子どもは、幼児期の特徴がまだ残っていて
自己中心的という特徴があります。
しかし、日々多くの経験を積み重ねる中で物事に対する考え方や
周囲の人間関係も変化し思考の向上が期待できます。「大人が『やってはいけない』ということはやらないようにしよう。」と
大人の言うことを守り、善悪についての理解や判断ができるようになります。

 

 

低学年の指導方針

 

文部科学省が「学習指導領域」の中で、小学校低学年の時期における
道徳や指導の在り方について提言しているのを要約しました。

 

①「良いこと」と「悪いこと」の判断をして嘘をつかず素直に生活すること。②健康で清潔であるために、規則正しい生活をすること。

③気持ちのよい挨拶や温かい心を持って家族や友達・地域の人に接すること。

④規定を守り、目上の人を敬うこと。
家の手伝いなど進んで取り組み、家族や地域の人など
皆のために働くことで誰かの役に立つ喜びを知ること。

⑤自然や生き物に親しみ、優しい心で接すること。
美しいものに触れ、清々しい心を持つこと。

 

勉強だけでなく、美しい自然や生き物に触れるなど
放課後や休日を利用して学ぶ機会を積極的に取り入れましょう。

あまりたくさんのことを無理してやろうとせず、
丁寧なコミュニケーションを心がけることが大切です。

 

保護者や指導者は、家庭や学校で
子どもがいけないことをしていた時には道徳や規則を学ぶ場だと捉え、
子どもにきちんと向き合う時間を作りましょう。

 

低学年の子どもに適した接し方の注意ポイントは後ほど詳しく紹介します。

 

 

高学年の接し方(小学4年生~6年生)

 

 

 

 

小学校高学年の時期の子どもは、個人差はあるものの心身ともに少しずつ
大人へと成長していく時期です。
思考力や判断力・自立心も芽生えます。

 

この時期の子どもは「自立したい」という思いと
「一人では不安」という思いの両方を持ち合わせています。

それまでは親に守られていることで安心感を抱いていましたが、
「保護者に甘えたいけれど甘えられない」という思いから、
保護者を拒否したり、時には保護者を頼りにするなど
その時々によって態度が変化する場合もあります。

 

反発的な態度や言動のは自立心と不安の中で
感情の処理追いつかず、葛藤しているということを
保護者や指導者は知っておく必要があります。

 

 

高学年の指導方針

 

 

文部科学省が「学習指導領域」の中で、小学校高学年の時期における
道徳や指導の在り方について提言しているのを要約しました。

 

①自分自身を知り、自由を大切にしながら工夫してよりよい生活を送る。

②他者との違いを受け入れ、助け合いや協力をすること。

③自他の生命を尊重し、自然や美しいものに畏敬の念を持つこと。

④郷土や日本の伝統と文化を大切にする心を持ち、誰に対しても差別することや
偏見を持たず公正・公平に接する。
身近な集団に積極的に参加し、自分の役割を見出す。

 

高学年になると大人の話やあり方が理解できるようになっていきます。
自身を客観的に捉えるようになり、善悪の判断もつくようになります。
正義感が強くなったことでトラブルが起きてしまうこともあります。

また、交友関係が広がることで集団の規則を理解して主体的に行動したり
子ども同士でルールを決めて遊ぶことから「ルールを守る力」も身につきます。

 

この時期には、心身ともに大きな成長期を迎え、自尊心や自己肯定感が
芽生え始めます。

発達の個人差も顕著になるため他人と自分を比べて落ち込んだり、
自己に肯定的な意識を持てず、自尊感情の低下から劣等感を持ちやすくなる時期でもあります。

 

高学年では「9歳の壁」や「ギャングエイジ」など
発達の特徴が表れる時期です。

 

繊細な時期なので保護者や指導者は
子どもが、周囲や自身についても子供なりに考えていることを
意識して接する必要があります。

 

 

接する時に注意するポイント

 

 

 

 

低学年の接し方で注意するポイント(小学1年生~3年生)

 

小学校低学年の子どもは、善悪への理解と判断を少しずつ学んでいきます。
新たなコミュニティで過ごす時間が増える中で、
保護者として接する際に注意するポイントを紹介します。

 

 

時間を守らせる

 

時間を守ることを意識させましょう。
例えば、友達と遊ぶために出かける際は必ず「行き先」と「帰宅時間」を
報告させてから出かけるように子どもに習慣づけましょう。

 

約束の時間を守り帰宅することで、時間を守る意識や
責任を持って行動ができるようになります。

 

 

安全確認の習慣を身に付けさせる

 

行動範囲が広がり、今まで保護者と一緒に行動していた道路や遊び場で
一人や、同じ年の子どもだけで行動する機会も増えることでしょう。

 

低学年の子供はまだ身長が低く、周囲の状況を確認することが困難です。
危険な遊びをしないように予め行動範囲の中で危険な箇所があれば
子どもに共有したり、横断歩道では手をあげて渡るように指導しましょう。

 

特に、遊びに夢中になっている時が一番注意したい場面です。
これから行動範囲がさらに広がる前に、低学年の内から
保護者が一緒に安全確認をすることで、保護者がいない時に
子どもが自主的に安全確認を行うようになり、習慣として
身に付くようになります。

思わぬ事件や事故に巻き込まれないように
子どもと一緒に対策しましょう。

 

 

基本的に自分で行動させる

 

幼児期には保護者の手厚いサポートが求められましたが
児童期になると、子どもたちが自分で動ける力が求められるようになります。

 

近くでお世話をしてきた保護者としては、ついつい手を貸してしまいそうに
なりますが、それでは子どもの自立を妨げることになります。

 

大切なのは、「本当に困っている時だけ手助けする。」ことです。
例えば、服を脱ぎっぱなしにしている子どもに「脱ぎっぱなしにしないで片付けなさい!」
と言いつつ、つい子どもの代わりに片付けているケースは多いです。

これでは、子どもは注意されてもどうせ代わりにやってくれるだろう。
と思われてしまうので、注意して本人に片付けさせましょう。
「自分のことは全部自分でやる」という意識を持たせるため
サポートするタイミングは子どもが本当に困っている時だけにしましょう。

 

 

声を荒げて叱らない

 

子どもが失敗したり間違ったことをした時や
何度伝えても言う事を聞いてくれないと、イライラして感情的になり
声を荒げて叱ってしまうこともあるかもしれません。

誰にでも間違いはあり、失敗を繰り返して学んでいきます。
その時に保護者が感情をコントロールできていないまま
大声で叱られると、子どもは怖いという気持ちが先行して萎縮してしまいます。
萎縮している状態ではせっかく注意したことも頭に入らずまた繰り返してしまいます。

 

ダメなことはダメと教えることは大切ですが、
威圧的にならないように子どもが理解できるスピードで
伝えることが大切です。

 

 

高学年の接し方で注意するポイント(小学4年生~6年生)

 


小学校高学年の子どもは、物事をしっかりと理解できるようになります。
しかし、さらなる成長の為に保護者ができるサポートはまだあります。
保護者として接する際に注意するポイントを紹介します。

 

叱る時は場所を変える

 

高学年になると自尊心が芽えるので、人前で叱られると
プライドを傷つける可能性があります。
叱る時は、場所を変えてから落ち着いて話せる環境を
整えることを意識しましょう。

 

また家庭で叱る時は、落ち着いて話せるように
注意の妨げとなるテレビや音楽などを切って環境を整えてから
子どもと話し合うことが大切です。

 

 

子どもの意見を聞いて、解決策を一緒に考える

 

子どもが悩んでいるときに叱ったり、威圧的な態度をとる行動は控えましょう。
子どもは経験が浅く、判断が遅いと感じることもありますが子どもの口から
意見が出てくるまで根気強く待ちましょう。

 

子どもなりの意見を聞き入れ、良いところを見つけたら褒めましょう。
間違っているところを見つけたら、考えを押し付けすぎないように注意して
一緒に解決策を話し合いましょう。

 

 

一緒に家事をする

家事を覚えてもらうことは大切ですが、一緒に家事をするメリットは
単に家事を覚えるためだけではありません。

 

子どもと一緒に家事をすることで、家族の助けになり
役に立っているという気持ちが芽生え、自己肯定感が高まります。

「自分には居場所がある。」「必要とされている。」
といった安心感を得られます。

 

必ず「手伝ってくれてありがとう。」と感謝の言葉も
忘れずに伝えましょう。

 

 

まとめ

 

 

いかがでしたでしょうか?
児童期の接し方や注意ポイントについて紹介しました。

 

ひと言で小学生と言っても6年間の中で
心身共に目まぐるしく成長します。
子どもはもちろん、保護者や指導者も
感情の変化に戸惑い、悩むこともしばしばあるでしょう。

 

この投稿から子どもの成長に合わせた心身の変化を知り、
接し方のポイントを知ることで少しでも
悩んでいる方の解決策になれば嬉しいです。

 

 

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