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マイスターハイスクールとは何か。今後の塾の方向性とは‼
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マイスターハイスクールとは何か。今後の塾の方向性とは‼
マイスターハイスクールをご存じでしょうか?まだ耳慣れない言葉かと思います。
マイスター…修業を積んだ職人などの名人。
ハイスクール…小学校を卒業した中等学校。
上記の言葉を合わせた通り専門的な知識・技術を修行する中等学校となります。文部科学省は2022年1月12日、最先端の職業人材育成の推進と職業人材育成に資する教育課程等に関する研究開発を行う「マイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)」を専門高校に取り入れていく事を発表しました。それにより教育現場に与える影響を考えていきたいと思います。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shinkou/shinko/1366335_00001.htm
何故マイスターハイスクールなのか
2019年よりGIGAスクール構想(1人1台PC)が始まり、2020年にはプログラミング授業が小学校で必須科目となりました。2022年の今年度から教科担任制が導入され、これからの未来を担う子ども達にICTを基盤とした最先端の授業を行い『子ども達の力を最大限に引き出す教育』が本格的に始動しました。
それは全ての子ども達が「IT企業」に就職する為ではありません。IT技術が日常に浸透している中で、これからどの様な職種も例外ではなくなると言う事です。どの職種においても常にITが隣り合わせになることが安易に予想されるからです。
例えばコンビニエンスストアで勤務するにあたり、業務はどのような事をするでしょう。納品された品物を陳列するだけでしょうか。まずは商品を発注しなければいけません。ストアーコンピューターで天候や地域性、また流行など様々な事を考慮して発注をかけます。発注された商品が納品されてマットと呼ばれるもので検品をして、やっと陳列作業が出来ます。レジ業務もお客様が籠に入れた商品をただ流れ作業でレジ打ちすれば良いでしょうか?レジで購入作業後にやっぱりやめます!と言われれば返品作業をお客様をお待たせしない間に終わらせなければなりません。常にストアーコンピューターが必要となります。それはアルバイトでも当然やれなくてはいけません。
小さな町工場も、農家もこれからはどんどんIT(インターネットなどの通信とコンピューターを駆使する情報技術)が確実に関わってきます。
まだ義務教育の段階でコンピューターに慣れ親しむ事でIT社会に変わりつつある現代で、子ども達が社会人になった時に即戦力となる様に常用化していける為の教育方針となります。
その中でも特殊技術を必要とする職種も出てきますが、社会人になってから始めるのではなく学生のうちから始めていく事がマイスターハイスクールの目的となります。
マイスターハイスクールの仕組み
マイスターハイスクールの仕組みは以下のようになります。
工業高校などの職業・専門教育が授業課程で取り入れられる「専門高校」と地域、産業界が協力体制で取り組み、専門高校での人材育成モデルを構築する。文科省は採択地に対し、月1回程度の指導や助言などをする企業を設ける体制を構築する。期間は3年間となります。
解り易く言い換えますと自治体にある地元企業が、専門高校へ赴いて専門の知識や技術を教えるようになります。国が公募して厳選された企業が参加する為、より高い技術・知識を学べます。
今は試験的では有りますが、アフターコロナの影響も受けて、急激に産業界が変化しているこれからの時代は、マイスターハイスクールが増加することが予想されます.
[アフターコロナとは]
コロナウィルスが蔓延した影響により、経済であれば家でも出来るテレワークやコミュニケーションのオンライン化・デジタル化が加速しました。教育においてもタブレット配布によるオンライン授業や自宅学習と様々な影響がでており、それは現在進行形でニューノーマル(新たな日常)となっている事です。
マイスターハイスクールの塾への影響
専門知識だからと言って塾は無関係と言う訳ではありません。
前回のブログで「教科担任制」の事について触れましたが、それと同様にマイスターハイスクールもこれからの塾の在り方に大きく関わってきます。専門知識を子ども達が学んでくると、どの様な現象が想定できるでしょうか。
・専門用語が常用して出てくるようになる…難しい漢字や英語が出て来る様になり、それらに着いていく為「国語力」「英語力」が必要とされる。
・より細かな情報を覚えなくてはいけない…数字の計算や記憶力・暗記が必要となるため「数学力」も必要になる。
・基本的なPC作業やプログラミング作業が必須となる…コンピューターに慣れている状態での「プログラミング」も必要とされる。
マイスターハイスクール自体が、まだ始まったばかりの取り組みなのでこれから先の事は未知ではありますが、だからと言って避けている訳にもいきません。貴塾自身が情報を知り、他の塾より一足先に対策を取っていく事がとても重要です。
それでは塾が今後の備えとして今から出来ることは何でしょう。
これからの塾の課題
やはり先ずは塾全体のレベルを上げていく事に力を入れましょう。子ども達のレベルが上がってきてから学ぶのでは遅すぎます。その為には子ども達の今のレベルを見ていくだけではなく、講師たちの現在のレベルも確認しましょう。子ども達のレベルを知る為に小テストなどを行いますよね?それを講師同士がやってみるのも一つの手段だと思います。
あとは何が解っていてなにが解らないか、ディスカッション出来る場を設けても良いでしょう。講師が個別に考えるよりも、意見を出し合い話し合える場があることでコミュニケーションにも繋がりより良い塾作りに大きく近づけると思います。
また、今まで挑戦できなかった事や、新たな取り組みも視野に入れて話し合いましょう。例えば個別指導や家庭教師を取り入れたり、プログラミング授業など、当塾の看板となるものを確立させて、他の塾との差別化を図りましょう。もちろん今までにない新しい事を始めるのですから、それに向けての下準備と努力は必要不可欠ですが、存続・拡大をしたいのであれば早めの対策が必要です。
新しく取り入れたい代表的なおススメ3選
*個別指導…個別という言葉から想像は着くとは思いますが、マンツーマン指導で一人の生徒に一人の教師が付くスタイルです。担当する生徒の理解度が良く解り、生徒も質問がしやすい環境になります。また集団授業では集中出来ない子には個別で見てくれる為、より集中しやすくなります。
*家庭教師…こちらは以前からあると思いますが生徒の家で行うため、生徒自身がリラックスして勉強が出来ます。また保護者とのコミュニケーションも取りやすく、生徒がどのような環境下で学習しているのかも垣間見えるため、生徒とのコミュニケーションにも役立ちます。
*プログラミング授業…こちらはまだまだやり始めている所は少ないかもしれませんが、これからの時代必ず伸びていく授業形態です。
プログラムと聞くと私は運動会を思い出すのですが、プログラミングとは「コンピューターに対して指令を出す作業」となります。運動会ですと進行していく為に順番を組み立て、それに沿って行動しますよね。つまりその行動をコンピューター上で行う作業がプログラミングとなります。2020年からプログラミング教育が必修化された為「算数」や「外国語」等と同じように子ども達にも得意・不得意の差が出てきます。ですから基本操作から応用作業まで塾で丁寧に教えて貰えるのはありがたいですよね。
まとめ
いまはどこの塾もこれからの塾の在り方や、方向性について悩んでる時期に来ています。それはどの塾に置いても最大の課題であると同時に最大のチャンスです。周辺地域の情報も探りながら、いち早く対策を練り実行に移してていく事により、地域に根付いたより良い塾にしていきましょう。